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2020-03-27 17:00

トピック

ブランクのある女性へプチキャリアのすすめ。「おためしで働く」スモールステップから仕事復帰!

ウーマンNS
「出産、育児のために離職したけれど、もう一度働きたい」
「夫の転勤で辞めたけど、家計の安定のためにもまた働き始めようかな」
数年のブランクを経て、仕事を再開したいと考える女性は年々増えています。

その一方で、多くの女性が働くことへの不安を抱えています。
家事や子育てで多忙な毎日に、仕事に割く時間やパワーを捻出できるのか、スキル不足で続けられないのではないか…。そう尻込みする方は少なくありません。
離職期間のある女性が、無理なく自分のやりたい仕事に出合う道や方法にはどんなポイントがあるのか、調査結果や専門家のアドバイスをもとに紐解いていきます。

時短ワークが、再離職率減につながる
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リクルートワークス研究所では「ブランクのある女性のキャリア3千人調査」(2019年)を実施し、3年以上の離職期間がある女性がどう仕事を再開しているのか、その際にぶつかる壁は何かを調査しています。

この調査によると、一般的な経験を持つ女性で再就職した人のうち81%が「家庭と両立しやすい時間」として週39時間以下の仕事で再スタートをしており、週40時間以上で仕事を再開しているのは6%にとどまりました。

また、週40時間以上で仕事を再開した方が、その後再び離職する率は47%と約半分であるのに対し、週39時間以下の方の再離職率は24%。
ブランク明けは時短でスタートしたほうが、仕事を継続しやすいという実態が見えてきます。

小さな一歩から自分らしいキャリアが広がる
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「最初の一歩は小さくてもいい」と話すのは、リクルートワークス研究所でブランク女性の就業支援についてリサーチを重ねる大嶋寧子さんです。
大嶋さんは、3年以上のブランクを経て仕事を再開し、現在やりたい仕事に就いている女性にインタビューを重ね、ある傾向を見出したと話します。

「多くの方に見られたのが、最初は1日2~3時間の在宅ワークや業務委託など、負担軽く踏み出せる仕事からスタートしていること。そして、仕事をしながら自分の適性ややりたいことを見つけ、次のステップに進んでいくことです。

例えば、8年のブランクを経て仕事に復帰し、現在は地方自治体で社会福祉の領域に携わっている方がいます。
最初は、知人に頼まれ簡単なデータ入力の仕事から始め、やがて子どもの教育支援というテーマに出合ったときに『これだ!』とアクセルがかかり、社会福祉士の資格を取得。今に至っているそうです。

いきなりフルタイム勤務でやりたい仕事を見つけるのはハードルが高い。でも、1日数時間のスモールステップから始めれば自信がつき、次のキャリアにつなげることができるのかもしれません」(大嶋さん)

仕事をためして、人とつながり、自分のスキルを言語化しよう
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大嶋さんは、ブランク女性にとってキャリアの試行期、つまり「おためし期間」を設けることが大切だといいます。
「おためし期間では、『働く時間の無理をしない』『仕事をためす』『人とつながる』『これからの仕事を描く』という4つのポイントを重視しています。
仕事をためしてはじめて、『これが仕事に必要だから学んでみよう』『この仕事をできるようになりたい』と具体的に思えるようになる。まずは短い時間でもためしてみることが大事です」(大嶋さん)

家事や育児のマルチタスクを日々進めているブランク女性は、非常に効率的に動く能力を持っています。ただ、それが仕事にどう活かせるのかイメージできず、自分の力を言語化できない方が多いのが現状です。
そこで重要なのは「人とつながる」ことだと大嶋さんは話します。

「自治体が行うキャリアセミナーや大学の外部向け講演会、ボランティア活動などどんな場でもいいので、仕事について話せるコミュニティを見つけ、自分が考えていることを言語化していくといいと思います」(大嶋さん)

リクルートでは、子育てママ向けに特化したワークショップ「WORKFIT for Mom」を開催し、これからのキャリアについて、同じ子育てママ同士で話せる場を設けています。
また、リクルートは、東京2020オリンピック・パラリンピックオフィシャルパートナーとして雇用支援に取組んでおり、求人誌「タウンワーク」では、東京2020オリンピック・パラリンピックに関連した期間限定の時短ワークの求人募集も多数掲載。おためしで働く一つのきっかけになるかもしれません。

「やりたい仕事を見つけなくちゃ」と焦ることなく、まずは、興味がある程度の仕事をスモールステップとして始めてみる。そこから新しい選択肢が見えてくるのではないでしょうか。

ウーマンNS
【大嶋寧子さん(リクルートワークス研究所 主任研究員)】

東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了後、1998年富士総合研究所入社。
マクロ経済予測(賃金・雇用、所得等)、外務省出向(OECD経済委員会・経済開発検討委員会に関わる政策調整等)、みずほ総合研究所における調査分析業務(雇用政策・家族政策の調査研究)を経て、2017年リクルートワークス研究所に入所。専門は雇用政策、家族政策。

【参考】
※リクルートワークス研究所
https://www.works-i.com/research/works-report/item/blank_1.pdf

(※本記事は、3月12日取材時の内容です)
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